Gilles Deleuze「ザッヘル=マゾッホ紹介」1967
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「累積 - 加速 - 投射」(否定)
「論證- 命令 - 制度」(孤獨な思辨的論證)
暴力的で猥雜な描寫を急速度で積み重ねること、暴力を加速させ、それをおびただしい數の犧牲者に向け投射し、冷淡に實行すること、見せかけの對話を嘲笑ふ論證を長々と繰り廣げ、アナーキーな制度のもとで絶對的な命令を下すこと、夢を破壞すること
法から原理への遡行と書き換へ、下方へのその波及
推論じたいが一個の暴力であると示すこと、そしてまったき嚴格さ、平靜さ、靜けさをともなふ推論が、暴力的なものたちの側にあるのを示すこと
論證者の完璧な孤獨と全能性とに一體化する論證を用いて、論證してみせること
推論が、その宛先となる聽衆と共有される必要はまったくない
快が、そのきっかけとなる對象と共有される必要も一切ない
特殊性とそれに相關する妄想が、純粹理性の《理念》でもあるのでなければまるまい。
死の本能 (純粹否定) を、論證のかたちで思考するといふ課題
部分的な否定や破壞の諸欲動の動きを增殖させ、壓縮することによってでしか、この課題を實行しえない者として立ちあらはれる
決して所與として與へられない死の本能を把握する、思辨的で分析的な方法を表象する
無感情 (アパシー)
サド的な無感情の冷淡さは、本質的に、感情に對して敵對的に行使される
無感動のなかで「理論化され」る
脱性化と再性化が、思考のなかで顯在化し、論證的な力のばかで表現される
犧牲者を支配し、犧牲者が同意したり納得したりしないほど、より多くの享樂を味はふ拷問者
制度化された所有 (憑依) の用語で思考
恆久運動のメカニズムと恆久運動の諸制度
サドの祕密結社、リベルタンの結社は、制度による結社〔社會〕
制度は長期的で、意志によらず、讓渡も不可能で、權力や權能を構成する規約を定義する傾向があり、その効力は第三者にも及ぶ。
制度は法の秩序とはきはめて異質な秩序に屬し、法を無用にするものとして呈示される
行動と權力と權能の動的なモデル
法を失墜させ、法よりも上位に位置するものとして思考される
法なき純粹制度は、その本性によって自由で、アナーキーで、恆久的に運動し、永久に革命し、たへざる無道德狀態にある活動のモデルとなる。
共和主義者はおのれが成員となる政體を、たへず蜂起の狀態に維持しておかなければならない
恆久運動と永久革命のアナーキーな制度
アナーキー
それが廢絶する舊體制と、それが生みだす新體制のあいだ
政治體制 (コンスティテュシオン)〔憲法〕をつくりなほそうとするとき
契約に對する、契約へのあらゆる呼びかけに對する、契約のあらゆる觀念や理念に對する敵意
暴君は法の庇護のもとでのみ成長し、法によってのみ權威づけられる
法をより高次の原理に向けて乘り越え、それによって法に二次的な權力しか認めまいとする運動
法を轉倒させんとする惡意を抱く至高の《存在》
法は、原理への遡行によって、irony に滿ちたしかたで轉倒される 法は《善》によって基礎づけられえず、むしろ法の形式に依據しなければならない→法を破壞する一次的自然の不定形 (アンフォルメル) な要素を原理とする
法の上位に置かれるのは父であり、母を典型的な犧牲者とする高次の原理
合理主義的で無神論的、フリーメーソン的でアナーキーな結社
瀆神
敎師
リベルタンは、他者に對して行ったことが、じぶんにもなされるのをおそれなどしない。
この苦痛が、かれの讓渡しえない力能に確證を與へ、かれに至高の保證を授ける
指令語と描寫は
言語の命令的で描寫的な機能 (ポルノグラフィ) は、論證的で制度的な純粹機能に向けて乘り越えられる。
かれの描寫はそれじたいで猥雜なものである。サドはこの挑發的な機能を必要としてゐる
だれをも欺こうとしなかった
描寫の仲介と、加速させ壓縮させる反復の仲介
より高次の論證機能に向けて乘り越えられる
能動的 (アクティフ) 過程としての否定的なもの + 純粹理性の《理念》としての否定
描寫を温存し加速させながら、描寫のなかに猥雜さを充滿させてゆく
量的な反覆
サドはたちへ夢見てゐるときでさえ、じぶんは夢など見てゐないと信じる必要がある
幻想は、客觀的世界のなかに注入される本質的で急激な變化の道具となる
幻想はそのとき現實界への最大の攻撃能力、介入能力、體系化能力を獲得する。 瀆聖
フェティッシュの破壞は投射速度を、すなはち夢としての夢が除去され、《理念 (イデア)》が覺醒した現實世界のなかに闖入するしかたを測定する
自然
二次的自然
部分過程としての否定的なもの
個人的な要素は、否定的なものの派生的な力能を體現してゐる。それは、サディストの《自我》がなおも二次的自然に參與し、この自然を模倣する暴力的行爲を產出してゆくしかたを表象している。
實踐的には、リベルタンは二次的自然から借り受けた歸納的な部分過程によって、全體的な論證を例示するといふ役囘りに制限されてしまふ。
否定的なもの
一次的自然
全體化する《理念 (イデア)》としての純粹否定
非人稱的 = 非個人的な要素は、否定の妄想的觀念としての一次的自然と關聯してをり、サディストが二次的自然とともにおのれ自身の《自我》をも否定するそのしかたを表象してゐる。
否定
《エロス》が、外部へと向かふ死の本能の派生を保證する
サディストは、あまりに強力な超自我をもつがゆえに、超自我と同一化してしまふ 思辨的な過程そのものを、超自我に依存するものとしての思辨的な過程を性化する 否定 (Verneinung)
否定的なものから否定へと向かふ。すなはち、たへず反覆される部分的な破壞過程としての否定的なものから、理性の全體的な理念へと向かふ
全體化する運動は、否定的なものが部分として參加してゐるにすぎない結合物から、中性的で變位可能なエネルギーを取りだす
思考の行爲 (アクト)
母の否定と父の膨張
官能性を帶びることによって純化され、熟慮され、「知的」になる惡意
←→世界中に散種されてゐる愚かな惡意
權力から、感性的な眞理や、まさしく官能的といへる合目的性を解き放とうとする
つくりたまへ、ただし法をつくるのではない、なぜならあなたがたは結局なのも生みださないだらうから。さうではなく、恆久運動の制度をつくりたまへ
「宙吊り - 凝固 - 期待 = 待機」(否認)
「說得 - 契約 - 法」(辨證法 = 對話法)
身體を宙吊りにされ、磔にされること、鞭打ちを鏡に映しだし凝固させること、いつ振り下ろされるやもしれぬ宙吊りにされた鞭による苦痛を豫期して待つ瞬閒をこそ味わいおののくこと、苦痛が條件づける快の到來をたへず先送りにし、その引き延ばし狀態を生きることで、そこから別種の快を呼び寄せること、そのために苦痛を與へてくれるやう女性を說得し、契約を結ぶこと
法からの對抗的歸結の徹底的導出、上方への打ち返し
プラトン主義と辨證法的想像力
辨證法的な精神の非人稱的な《理想》のなかで、特殊性がみずからを反射させるのでなければならない。
宙吊り、中性化によって、現に存在するものの妥當性に異義を申し立て、現に存在するものを觸發する操作の出發點
主體の一部分が現實を認識しながら、その認識を宙吊りにしてしまふ
主體の他方の部分は宙吊りになって理想にぶら下がる
待望のもの + 豫期されるなにか
苦痛が豫期されるものを實現する一方で、同時に、快が待望のものを實現する
神話的で辨證法的で、想像的な方法を表象する
藝術と宙吊りのモデルにしたがって發展する美的な側面 + 契約と服從のモデルにしたがって發展する法的な側面
この對象への、この出發點への囘歸によって、異義にさらされる器官の存在を權利上維持する事が可能になる
固定され凝固した畫面であり、靜止したイメージであり、運動のもたらす不愉快な歸結や、探索のなかでの不愉快な發見を祓ひ除けるために、人がたへず舞ひ戾る寫眞
人がまだ信じることのできた最後の瞬閒を表象するだらう
否認 (いや、女性はペニスを缺いてなどゐない)
→防衞的な中性化 (なぜなら、否定において生じる事態とは逆に、現實の狀況にかんする認識は存續するが、しかしそれがいはば宙吊りにされ中性化されるからだ)
→理想化する防衞的な中性化 (なぜなら、ここでは女性のファルスを信じることが、現實界 (レエル) に對抗する理想 (イデアル。想像界) の權利行使として經驗され、また、この信じることじたいが、理想のなかで中性化され宙吊りにされるからである。そしてそれによって、現實の認識がもたらしうる損害が、いっそう巧みに無化されるのだ) 冷淡さの理想
理想のなかで「幻想化され」る
脱性化と再性化が、想像力のなかで顯在化し、辨證法的な力のなかで表現される
このうへなく奇妙な企てのために拷問官を育成し、說得し、拷問者と同盟を結ぶ犧牲者
契約による同盟の用語で思考
犧牲者の同意の必要性
犧牲者がおのれの拷問者を育てあげる說得の才能や、敎育的で法的な努力
法は巧みに制定されるほどに、ますます殘酷なものとなり、契約者の一方 (ここでは主唱者の側) の權利を、よりいっそう制約するものになる
契約は原則的に契約者たちの意志を想定し、兩者のあいだで權利と義務の體系を定義するものであって、第三者に適用することはできず、限定された期閒のみ有效
契約とは、眞の意味で法を生みだすもの
權利と義務の體系
たとへ法に從屬しその優位を認知することになるとしても、法を產出するものとして思考される
法から歸結へと下降する運動
過剩な熱心さ (excés de zéle)
遵法鬪爭 (gréve du zéle)
きまじめな適用によって法の不條理を示し、法が禁止し祓ひ除けるとされる秩序壞亂を、法そのものに期待する
法は、歸結を深化させることによって、humor に滿ちたしかたで斜めから裏をかかれる 法はそれに服從する者の罪責感を成長させる→處罰を、禁じられた快を可能にする條件に變へる
法全體が母へと差し戾され、その母が象徵的圈域から父を追放する
契約が意志同士の合意、期閒の限定、讓渡しえない持ち分の留保といった條件を原則的に前提するにしても、そこから生じる法にはおのれの起源を忘却し、これらの限定的な條件を無化しようとする
社會の起源に契約や準契約が想像されるにしても、法が創設されるやいやな必然的に裏切られる條件をもちだすことなしには、かうした想像は不可能
オーストリア帝國にみられるやうな農耕の祕密敎團
棄敎
說得された女性は、一種の不安めいた疑念を最後まで抱きつづける。といふのも、うながされてある役割を演じてみるものの、ともすればその役割を果たしきれず、過剩か缺如に陥ってしまふからだ。
敎育者
罪を贖ふといふ欲求を滿足させることによって、マゾッホの主人公は處罰が禁止するはずだった事柄を、最終的にはじぶんに許可する
指令語と描寫は
言語の命令的で描寫的な機能 (ポルノグラフィ) は辨證法的で、神話的で、說得的な機能に向けて乘り越えられる。
多種多樣にわたる動機によって、運命的な引き裂かれんばかりの狀況の要請によって、 masochism を正當化するのだ 描寫機能は存續するが、猥雜さはすべて否認され、宙吊りにされる
あらゆる描寫がいはば、對象そのものからフェティッシュへ、對象の一部分から別の部分へ、主體の一部分から別の部分へと移動しずれてゆく。
唯一存續するのが、重苦しく奇妙なある雰圍氣、あまりに重たい香水のやうなものであり、それが宙吊りのなかに廣がり、あらゆる移動に抵抗する
高次の機能に向けて、神話的ないし辨證法的な機能に向けて乘り越えられる
反作用的 (レアクティフ) 過程としての否認 + 純粹想像力の《理念》としての宙吊り
描寫は存續するが、ずらされ、凝固され、ほのめかされ、品位あるものとなる
質的な宙吊り
女性 (要素)
類型
1. 秩序壞亂を生み出す女性
雌雄同體の女性
娼婦 (ヘタイラ) 的、アフロディーテ的
2. 冷淡 - 母性的 - 嚴格。冷酷 - 感情的 - 殘酷
デュメテル的
アマゾネス社會とともに黎明し、嚴格な女性支配の秩序と農耕的秩序を導入する
官能性の否認
官能性は、我々を二次的自然の特殊性と不完全さのうちに幽閉する
感情性を男性の反省の對象に變へ、殘酷さを男性の粗暴さへの處罰に變へた
←→
男性はもはや粗暴な本性しかもたず、反省するしか能がない。
女性は反省を前にすると感情的になり、粗暴さに對して嚴しくあたる
3. サディストの女性
三人の母
口唇的な母
コミューンの法の主人
單爲生殖
母親との近親相姦的な結合
母親への共生的固着
子宮的な母
女狩り人
自身が狩獵の對象となり、毛皮を剝󠄀がれる
エディプス的な母
牧人の母
すでに父權的體系に統合されてをり (犧牲者として、または共犯者として)、かのじょ自身も生贄となる
儀式
狩獵の儀式
毛皮の、狩獵の戰利品の獲得を要求する冷淡さ
熊や狼を狩る
系列のなかに、ほかの女性のなかの一人としてあらはれる
第二の母、口唇的な母が、子宮的な原初の母の戰利品を奪ひ取り、再生誕させる能力を手に入れる
否認 : 母を讃美し、再生誕にふさはしいファルスを母に與へる過程
ファリックマザー
「いや、母はファルスを缺いてゐない」
農耕の儀式
隱された感情性と、保護された多產性にくはへ、勞働を命ずる嚴格な命令をも要求する農耕
系列から外れ、系列總體を指揮し、ほかの女性たちの全機能を奪取し變形することで、それを再生誕の主題へと奉仕させる
母との結合としての犂があり、ピンで刺すこと
農耕共同體を組織し指揮する
否認 : 第二の生誕のなかで、いかなる場所も占めない父を排除する過程
父との類似こそが罪
いかにして口唇的な母が勝利をおさめるか、いかにして父との類似が廢棄されるか、いかにしてそこから新しい《人閒》が生まれてくるのか
再生、第二の生誕の儀式
再生を追ひ求めるあの嚴格さそのもの、あの苛酷さ
鞭打ちが單爲生殖の活性化として登場し、縄で引き立てられる息子の再生誕がある。
男性に新たな生誕を強いる
男になるとはつまり、女性のみから誕生しなほすこと
否認 : 性的な快じたいを對象とし、それを中斷し、その生殖能力を廢棄することで、性的な快を再生誕の快につくりかへる過程
マゾヒストはたとへ夢見てゐないときでさえ、じぶんが夢見てゐるのだと信じる必要がある。
現實界は否定にではなく、それを幻想へと移行させる一種の否認にみまはれる。 宙吊りは理想に對して同樣の機能を有してをり、理想を幻想のなかに据えつける
期待=待機とはそれじたい、理想 (イデアル。想像界)-現實界 (レエル) の一體性であり、幻想の形式ないしは幻想の時閒性 フェティッシュとは幻想の對象であり、まさしく幻想化された對象
masochism におけるフェティッシュの構成は、逆に、幻想の內面的な力を、その期待=待機の緩慢さを、その宙吊りや凝固の力能を計測し、理想と現實界の雙方が、幻想に吸収されるそのしかたを測定する 自然
二次的自然
粗暴な自然〔本性〕
粗暴な自然〔本性〕はいまや、氣まぐれといふ特性を帶びる。そこでは暴力と狡知、憎惡と破壞、秩序壞亂と官能性がいたるところで稼働してゐる。
否認
一次的自然
非人稱的で反省 = 反射され、感情的で超官能的な大いなる《自然》
感情的で反省 = 反射された大いなる《自然》
宙吊り
死の本能の痕跡、その內的な殘滓に備給する
叩く女性へのマゾヒストの投射のなかで、超自我が外在的な形態をまとふのはあきらかに、超自我がますます嘲笑的なものとなり、凱歌をあげる自我の目的に奉仕するやうになるため 自我が勝利し、苦痛のなかでおのれの自律を、苦痛の果てになされるおのれの單爲生殖的な生誕を肯定する。 宙吊りが表象するのは、自我への新たな質の賦與であり、母のファルスを起點とする再生誕の理想 母のファルスは生殖器官ではなく、逆に中性エネルギーの理想的な器官であり、それじたい理想を、すなはち第二の生誕による自我ないしは「性愛なき新たな人閒」を產出する ナルシス的自我は、口唇的な母をとおして、理想自我のうちにおのれのイメージを觀想する 自我が、理想化といふ神話的な企てに乘りだし、母のイメージを鏡としてもちゐることで、そこに全能性のナルシス的理想として「理想自我」を映しだし、さらには「理想自我」を產出しさえする 否認から宙吊りへ向かふ。すなはち、超自我の壓力から解放される過程としての否認から、理想を具體化するものとしての宙吊りへ向かふ 想像力の反作用 (リアクション)
否認こそが、想像力じたいの基底を構成するのであり、この想像力が現實界を宙吊りにし、この宙吊りのなかで理想を具體化する 母の「否認」と父の無化
戀愛、所有、金錢、國家、戰爭、死
これら一つひとつの力能に、無媒介的な感覺的殘酷性を恢復させてやる
なぜ大公、貴人、外交官に、殺人者と同じ徒刑場や絞首臺がふさはしいかを理解する
一八四八年革命の勝利を確實なものとし、汎スラブ主義を統合するためには、美しき專制君主、おそるべき女帝がスラヴ人に缺けてゐたといふことであった……。
契約を交はしたまへ、ただしおそるべき女帝と契約するのだ、さうすればこのうへなく感情的でありながら、このうへなく冷たく、このうへなく嚴格な法がそこから生みだされるだらう
脱性化→再性化
法
法の古典的な image
最善
人閒が《善》とはなにかを知らない、あるいはそれに合致する術を知らないが故の最善
法に服從すること
《善》の似姿 (image)
正義の人は、たとへ思考する自由を――《善》を思考し、《善》のために思考する自由を――保持してゐるにしても、最善のために行動する
法は、その命運を有罪宣吿された者の手にゆだねるのであり、有罪宣吿された者がその服從によって、反省された思慮深い承認を法に授けるやう要求する
原理・歸結
法より高次の原理 :《善》による基礎づけ
法より遠くまで及ぶ歸結 : 正義の人による承認
法の近代的な image
《善》が《法》の周圍をまはるやうにする (「實踐理性批判」)
認識の對象が主體の周圍をまはるやうにした (「純粹理性批判」) のと同じく
法が、高次の原理としての《善》によっておのれを基礎づけることができなくなる
法はもはや、正義の人の善良な意志としての《最善》によって承認されるべきものでもなくなる
欲動の斷念
對象の同一性 (母) の斷念
欲望と法の同一性 (父) の斷念
原理・歸結
法の原理 : 法の未規定性
純粹形式
純粹な法
法の歸結 : 精緻な處罰
法に服從する者は、そのことによって正義にかなふこともなければ、さう感じることもないといってよいだらう。法に服從する者は逆におのれが有罪だと感ずる。
我々を有罪者として構成する
死や破壞の諸欲動そのもの / 死の本能
死や破壞の諸欲動そのもの
《エロス》との結合は、《タナトス》の「現前化」の條件のやうなもの
否 (ノン) はタナトスにではなく、エロスとの結合に在る
死の本能 (instinct)
純粹狀態の《タナトス》
《タナトス》が心的な生の根據として、根據以上のものとして規定されうるから
排除 (Verwerfung)